WHOがようやく乗り出すヒト遺伝子編集に関するルール作り

米国時間3月19日、WHO(世界保健機関)は新しい諮問委員会の最初の会議を閉会した。人間の遺伝子編集に対する世界的な統制と監督基準を作成するために設立されたものだ。

その委員会は、昨年12月に急遽招集された。昨年、中国の科学者が、CRISPR技術を使って2つの胚の遺伝子を組み換えたことを明らかにしたことを受けたものだ。その研究の目的は、さまざまな形状のHIV(AIDSを発症させる)ウイルスが細胞に感染する際に重大な役割を果たすCCR5遺伝子を除去することだった。

深圳に本拠を置く遺伝学者He Jiankui氏が、結果を公表するやいなや、その研究は中国の内外を問わず、世界中から非難された。

同氏は今、その研究を行った大学敷地内の複合施設内に軟禁されているという。中国政府は、彼の研究が違法であると宣言するために、遅ればせながら行動に出た形だ。

(関連記事:中国当局、世界初の遺伝子操作ベビーを違法と認定

そしてWHOも、ようやくその技術の使用を規制するための最初の一歩を踏み出した。

「遺伝子編集は、著しい治療効果を示すものですが、倫理的にも医学的にも、いくつかのリスクを抱えています」と、WHO事務局長のTedros Adhanom Ghebreyesus博士は、その声明の中で述べている。

WHOの専門家委員会は、ヒトの遺伝子編集に関する研究を統制するために取るべき最初のステップについて、2日間に渡って徹底的に討議した。そこには、臨床応用に取り組むのは無責任である、という基本合意が含まれている。

また委員会では、ヒトゲノムの編集に関して行われているすべての研究を一元的に登録する仕組みを作ることを、WHOに提言している。進行中のすべての研究を1つのデータベースで管理するというものだ。

「この委員会は、この新しい技術に取り組むすべての人々にとって不可欠なツールとガイダンスを策定し、人間の健康に対する最大の利益と最小のリスクを確実なものとします」と、WHOのチーフサイエンティストであるSoumya Swaminathan博士は、声明の中で述べた。

画像クレジット:VICTOR DE SCHWANBERG

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Source: TechCrunch Japan
WHOがようやく乗り出すヒト遺伝子編集に関するルール作り