2018年のアフリカのテック産業を特徴付けたのは、VC、グローバル展開、ブロックチェーン、そしてドローン

【編集部注】著者のJake Brightは、ニューヨーク市在住の記者ならびに作家である。彼はまた、The Next Africaの共著者でもある。

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今年2018年は、アフリカのテック産業が、より活発になり国際的になった。大陸のVC企業の数は倍増した。また多数の投資ラウンドがあった。そしてスタートアップたちは買収と世界への拡大を追求した。以下に紹介するのは、この1年アフリカのテック産業を彩ったニュースのスナップショットである。  

VCファンドの急増

このTechCrunchの独占記事で発表されたCrunchbaseのデータによれば、2018年の注目すべきトレンドは、アフリカのVC事情がよりアフリカ的になったということである。すなわち大陸に拠点を置き、現地人によって運営される投資ファンドが増加したのだ。

Crunchbaseは、データベースと1次資料の調査を基にして、シードからシリーズ段階に至るアフリカのスタートアップへ少なくとも7〜10件の投資を行っている、アフリカに注力する51社のVCファンドを世界中で特定した。

51社のファンドのうち、22社(43%)がアフリカに本社を置き、アフリカ人によって管理されている。またその22社のうち、9社(41%)が2016年以降に設立され、また9社がナイジェリア拠点である。

ナイジェリアに拠点を置く9社のファンドのうちの4社は、昨年設立された:Microtraction、Neon Ventures、Beta.Ventures、そしてCcHub’s Growth Capitalファンドだ。

Crunchbaseの調査では、外部ファンドの中にも、より多くのアフリカ人がトップにいることが示され、地元の企業のベンチャー部門が増えていることも明らかになった。

そうした企業のベンチャー部門の1つであるNaspersは、南アフリカの技術系スタートアップに投資することを目的とした、Naspers Foundryという1億ドルのファンドを発表した。これは、TechCrunchですでに報じられているように、南アフリカの技術セクター全体を支援するために、この南アフリカのメディア/投資会社が表明していた、3億ドル(46億ランド)の一部である。

フランスがFrench Development Agency(AFD)によって運営されてる7600万ドルのアフリカスタートアップファンドを発表したとき、別の開発金融機構(development finance institution:DFI)が登場した。 TechCrunchは、それがどのようなものかをここで報じている。

投資と拡大

10年前はアフリカのVC投資に関するニュースは乏しいものだったが、2018年にはそれらが大量に流れるようになった。これは主に、最近設立され資金の提供を始めた、いくつかのアフリカのファンドによるものだ。例えばTLcomの4000万ドル、Partechの7000万ドル、TPGの20億ドルなどが挙げられる。

3月には、ナイジェリアの消費者データ分析会社Terragonが、TLcomから500万ドルを調達した。ケニアの企業向けソフトウェア会社であるAfrica’s Talkingは、IFCに主導されたラウンドで860万ドルを調達した。

投資スタートアップのPiggybank.ngは、シードファンディングで110万ドルを調達し、従来の貯蓄向けの新しいプロダクトであるSmart Targetを発表した。トラック輸送物流会社のKobo360は2ラウンドを行い、合計720万ドルを調達した。ケニアに本拠を置く農業テックサプライチェーンのスタートアップTwiga Foodsは1000万ドルを調達し、B2Bの小売サプライチェーンSokowatchは、4DX venturesが主導したシードラウンドで200万ドルを調達した

またホワイトラベル融資スタートアップのMines.ioは、1300万ドルをシリーズAラウンドで調達した。南アフリカの中小企業向け決済ベンチャーYocoは、1600万ドルを調達した。そしてPaga Paymentsは、新たな資金を1000万ドル追加した。

そして今年は3つの巨大な資金調達があった。まずケニアのデジタル決済会社Cellulantが、TPG Growthが手動するシリーズCラウンドで3750万ドルを集めた。そして南アフリカの融資スタートアップJumoは、Goldman Sachsの主導で5200万ドルを調達している。最後に、今月はThe Carlyle Groupが、アフリカを中心としたオンライン旅行サイトWakanow.comに4000万ドルを投資した

買収と拡大

2018年には、アフリカのテック企業たちは、大陸の中や海外に拡大することで、外の世界に踏み出せることを示した。5月にはMallforAfricaとDHLが共同で、厳選されたアフリカの職人たちが、その工芸品を、DHLが配送を行う220の国の買い手に向けて売る、国際eコマースサイトのMarketPlaceAfrica.comを立ち上げた。

Pagaは、エチオピア、メキシコ、フィリピンなどを見据えながら、アフリカ大陸内と国際的に拡大する計画を発表した。このことはCEOのTayo OviosuがTechCrunchに語っている。Kobo360は、ガーナ、トーゴ、コートジボワールといった新しい市場に参入しようとしている

上に紹介した5200万ドルのラウンドを行ったJumoは、アジアへの進出を口にしており、手始めにシンガポールにそのオフィスを開設する。

買収といった側面で見ると、Terragonがアジアのモバイルマーケティング会社であるBizenseを、現金と株式で買収した。CEOのElo UmehがTechCrunchに語ったところによれば、同社はラテンアメリカと東南アジアで大きな成長を狙っているのだという。

TPG Growthは、アフリカのエンターテイメントコンテンツ会社であるTRACEの株式の大部分を取得した(取得額は未公表)。またNsaperは以前の投資に続いて南アフリカのeコマースベンチャーであるTakealotの株式の96%を取得した。

そして12月には、カリフォルニアに拠点を置くEmergent Technology Holdingsが、ガーナのフィンテック決済会社であるInterpayAfricaを買収した

パートナーシップ

2018年は、地元のテック企業と世界的な大手企業とのコラボレーションが続いた。Liquid TelecomとMicrosoftは共同で、Microsoft Azure、Dynamics 365、そしてOffice 365などの、コネクティビティクラウドサービスを、特定のスタートアップやハブに対して提供するパートナーシップを継続している。これは、将来のクライアントとして、そして大陸内の次の大企業として考えることができる、アフリカのスタートアップ企業たちとの関係を、長期にわたって育むという、Liquid Telecomの戦略の一部だ。

FacebookはナイジェリアのテックハブであるCcHubと組んで、ハイテクインキュベーターであるNG Hubを立ち上げた

ブロックチェーン

2018年に、暗号通貨熱が多くの主要経済圏を席巻する中で、アフリカは独自のブロックチェーンストーリーを描いていた。それは投機というよりも実用に根ざしたものだった。 500 Startupsによって支援を受けたSureRemitは、アフリカ内の数十億ドル規模の送金市場をディスラプトすることを狙って暗号トークン製品を立ち上げ、ICOで700万ドルを調達した。また南アフリカのペイメントベンチャーWalaと、太陽エネルギーのスタートアップSun ExchangeもICOを提供した。

プラットフォームとしてのブロックチェーンについては、農業テックのスタートアップTwiga FoodsHello Tractorが、IBM Researchと提携して、アフリカ大陸の小規模農家と農業を発展させるために、デジタル台帳技術を利用している。

boda bodaの配車サービス

配車テックは大陸で頻繁に使われているモーターサイクルタクシー市場にも広がっている(boda bodaというのは、主に東アフリカに見られる自転車、もしくは自動二輪によるタクシーサービス)。Uberは3月に、タンザニアで三輪tuk tukモトタクシー市場に参入した、そしてケニアとウガンダを含む東アフリカでは、 UberとTaxifyが自動二輪による旅客サービスを開始した

失敗事例

昨年はY Combinatorが支援していたVODのスタートアップAfrostreamが倒産した。2018年2月には、VCの支援を受けていたナイジェリアのeコマーススタートアップのKongaが、窮状に陥り売却された。Kongaと人気者の創業者Sim Shagayaには、大きな期待が寄せられていた。私は、Kongaの売却は、アフリカ初の知られざる大きな失敗だという記事を書いている

ドローン

TechCrunchは、アフリカのドローンシーンを深く掘り下げている。複数の専門家と話をして、出現しつつあるユースケースの、デリバリーサービス、農業テック、そして調査作業などに着目してきた。規制面では、ルワンダ、タンザニア、南アフリカ、ザンビア、マラウイといったいくつかの国が、規制に関連していくつかの興味深い動きを見せていて、世界規模のプレーヤーたちのためのドローンテスト環境を生み出している。

TechCrunchとアフリカ

2018年にTechCrunchは、アフリカでこれまでのどの年よりも、多くの成果を上げた。より多くのコンテンツに加えて、Impact Hub、MEST Accra、ラゴス、そしてCcHubなどと共催した、ガーナとナイジェリアへの市場訪問ツアーもあった。

TechCrunchはまた、Disrupt SFのメインステージで初のアフリカパネルを開催しDisrupt Berlinではアフリカセッションを行い、12月にナイジェリアで第2回Startup Battlefield Africaを開催した。

そのとき、ナイジェリアのラゴスでは、15社のスタートアップが、全アフリカと世界から集まった人びとの前で競い合った。南アフリカのバーチャルバンキングのスタートアップBettrが2位になり、ウガンダの超低価格超音波スタートアップであるM-Scanが優勝した。

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[原文へ] (翻訳:sako)

Source: TechCrunch Japan
2018年のアフリカのテック産業を特徴付けたのは、VC、グローバル展開、ブロックチェーン、そしてドローン