成長を続けるスタートアップたちが、第2拠点を検討しているのはこれらの都市だ

【編集部注】著者のJoanna GlasnerCrunchBaseの記者である。

過去9ヶ月というもの、米国の市長たちは、大々的に第2拠点を探すAmazon.comのご機嫌をとるために、お互いの足を引っ張り合ってきた。

とはいえ、似たようなストーリーがもっと静かにスタートアップの世界では進行しているのだ。最も評価額の高いベンチャー企業の多くが、高コストの本社を飛び出して、より小さな都市に第2拠点を設置しようとしている。

彼らはどこに向かうのだろうか?中でもナッシュビルはかなり人気のある土地だ。フェニックスも同様である。ポートランドとローリーにも動きがみられる。また多くの企業では、多数のリモートワークの提供も行われている、これは特筆すべきスキルを持ちながらも移住をしたくない候補者を探すためだ。

これらは米国のユニコーンによる地理的雇用実績に対して、Crunchbase Newsが行った分析から得られた知見の一部だ。そうした企業の多くが、サンフランシスコのベイエリア、ボストン、そしてニューヨークのような高コストの場所に拠点を置いていたので、私たちはそれらがより小さくコストの安い都市にオフィスを設置しようとするパターンがあるのかどうかに注目した(調査法の詳細については、後にある調査方法のセクションを参照して欲しい)。

ホットスポットのいくつかを見てみよう。

テネシー州ナッシュビル

驚きの発見の1つが、スタートアップの第2拠点探しの中で、ナッシュビルが突出していたことだ。

少なくとも4つのユニコーンがナッシュビルのオフィスを拡大し、さらに3つがテネシーの他の都市やその周辺で事業を拡大しているのだ。テネシーを愛するスタートアップのいくつかを以下に示す:

私たちがユニコーンたちによるナッシュビルの人気を、驚くべきものとして表現した理由は、この都市がハイテクスタートアップやベンチャーキャピタルの主要な拠点として知られていなかったからだ。ともあれ、第2拠点として現実的で望ましい場所となるための、多くの属性があるということなのだ。

ナッシュビルの魅力には、その高い生活の質、人口と経済の成長、穏やかな気候、そして多くのライブミュージックなどが含まれる。ナッシュビルの不動産市場は過去数年間高騰しているものの、それでも住宅価格と生活費はまだシリコンバレーやニューヨークよりはるかに低いものである。そして労働者のための追加の特典がある:テネシー州には給与所得税がないのだ。

フェニックス

フェニックスは、特に西海岸の企業が、大人数を必要とする顧客サービスやその他の業務のために、低コストのハブを求める際に、スタートアップたちによって選ばれる、また別の人気の選択肢である。

下の表では、砂漠の都市に大人数を集める5つのユニコーンが示されている。

手頃な価格、容易な拡張性、大きな雇用可能人口は、フェニックスの魅力を構成する大きな要素のように見える。住居費や生活費は、大きな沿岸部の都市よりもずっと安い。そして、拡張できる余地が十分にある。

新しいオフィス開設について書かれたある記事は、低い転職率もフェニックスエリアの魅力的な属性として挙げているが、確かに興味深い指摘である。サンフランシスコやニューヨークのようなスタートアップの拠点では、転職は日常茶飯事である、特に必要とされるスキルセットを持つ人びとにその傾向は顕著だ。成長する企業たちは、おそらく在職期間を数ヶ月単位ではなく数年単位で考えるような人たちを探したいと思っているだろう。

これらだけが候補地ではない

ナッシュビルとフェニックスだけが、第2拠点を構えようとするユニコーンたちのホットスポットというわけではない。他の多くの都市でも、スタートアップの活動が拡大している。

ノースカロライナ州を見てみよう。そのリサーチトライアングル地域には、多くのSTEM(科学・技術・工学・数学)関連の卒業生が居ることで知られている。よって他の地域に本社を置くハイテク企業が、さらにここに拠点を置きたい気になっても不思議ではない。そのような企業の1つがサイバーセキュリティのユニコーンであるTaniumである、同社はこの地域で多くの技術的な求人を行っている。もう1つは、ソフトウェアコンテナ化技術の開発を行うDockerだ。同社はノースカロライナ州ローリーで求人を行っている。

オーランドのメトロエリアは、最近50億ドルの評価額をつけた、手数料無料の株式ならびに暗号通貨取引プラットフォームであるRobinhoodのおかげで、注目を集めた。シリコンバレーに本拠を置く同社は、オーランド郊外のレイク・メアリーで、HRとコンプライアンスの仕事を含む、かなりの数の求人を行っている。

一方、ポートランドは、また別の暗号通貨関連ユニコーンであり、デジタル通貨取引プラットフォームを提供するCoinbaseを引き寄せたばかりだ。サンフランシスコに本社を置く同社は最近、このオレゴン州の都市にオフィスを開設し、現在は採用を行っている最中だ。

画面のある場所ならばどこでも

しかし、急速に成長する多くのスタートアップでは、職を得るために特定の場所にいる必要はない。多くのユニコーンは、ローカルに埋めることが難しい特殊な技術的な役割を含む、リモートポジションを沢山用意している。

開発者たちがプロジェクトをリモートで共同作業できるようにするツールを開発しているGitHubは、それ自身が作っているものを応用することに対して、特に優れた仕事をしている。このサンフランシスコを拠点とする企業は、多くのエンジニアリング職をリモートワーカーに対して開いており、また同社の他の部門もある程度リモート職を提供している。

その他の、ある程度のリモート職を募集している企業には、シリコンバレーに拠点を置くサイバーセキュリティプロバイダーであるCrowdStrike、エンタープライズソフトウェア開発を行うApttus、そしてDockerなどが含まれている。

すべての企業が行っているわけではない

もちろん、すべてのユニコーンが大規模な第2拠点オフィスを開こうとしているわけではない。多くは、従業員を本拠地の近くに抱えることを好み、従業員たちをシックな職場環境や贅沢な特典で魅了しようとしている。他の企業の中には、拡大する際には戦略的に高コストの場所を選ぼうとするものもいる。

それでも、こうした第2拠点現象は、少数の地域があまりにもベンチャーキャピタルパイを奪っているという苦情に対する、部分的な解決を提供するものかもしれない。いまだにユニコーンたちは少数の都市にひしめいてはいるものの、少なくとも彼らは翼を広げて、他の場所でも多くの雇用を提供しようとしている。

調査方法

この分析のために、私たちは北米の他の都市に第2拠点オフィスを持つ、米国のユニコーンを調査した。私たちは、米国を拠点とする125社のリストから始めて、そのウェブサイトに掲載された求人情報をその場所に着目して調査した。

地元のマーケットに対応するための求人情報は除外した。たとえば、シカゴの顧客に販売するために、シカゴ在住の営業担当者を探しているサンフランシスコの会社は数えなかった。その代わりに、コアオペレーションを扱うチームメンバーの募集、たとえばエンジニアリング、財務、そして全社的なカスタマーサポートなどに着目した。北米以外の第2拠点オフィスも除外している。

さらに私たちは、特により低コストの地域に拡大しようとしている企業を探した。それでも多くの場合には、ニューヨークやシリコンバレーなどの他の高コストの場所に、戦略的にスタッフを追加する企業が見られた。

最後のメモはテキサス州オースティンに対するものだ。私たちは他の場所を拠点としているユニコーンたちのいくつかが、オースティンで求人を行っていることを知った。とはいえ、上記のセクションではオースチンは取り上げなかった。なぜならオースチンはシリコンバレーよりも低コストではあるものの、それ自身は既に、大規模で成熟したテクノロジーとスタートアップハブとしての特徴を持っているからだ。

[原文へ] (翻訳:sako)

画像クレジット: Li-Anne DIas

Source: TechCrunch Japan
成長を続けるスタートアップたちが、第2拠点を検討しているのはこれらの都市だ