Stemがミュージシャンの独立性を守るために現金前払いプログラムを開始

独立したミュージシャンたちが、収益を得るための支援を行うスタートアップであるStemは、Scaleという名称の新しいファイナンスプログラムでサービスを拡大しようとしている。

共同創業者でCEOのMilana Rabkin Lewis(ミラナ・ラブキン・ルイス)氏は、同社のコアサービスを共同制作者たちが曲からの収益の「分配を透明化する」方法であると説明した。曲がアップロードされると、Stemはその収益を自動的に共同制作者たちに分配できる。また、ミュージシャンが自分のキャリアの財務面を管理することを支援するために収益データを含む幅広いツール群も提供してきた。

しかしルイス氏は、Stemを利用する一部のミュージシャンたちがレコードレーベルと契約を結ぶことで「卒業」を始めていることに気付いた。その多くの理由は彼らが資金を必要としていたからだ。「それはマーケティングのための資金であったり、制作のための資金であったり、あるいはツアーに行くためのコストだったりなのです」と語る。

ルイス氏と彼女のチームは、Scaleを使用してより良い方法を提供しようとしている。それはミュージシャンが色々な制約のある契約に署名することなく、必要な資金を得る方法を提供するものだ。貸付条件は明快だ。それは月の収益に対する割合として計算され、ミュージシャンたちはどれくらいのお金を借りて、どれくらいの期間で返済したいのかを調整することができる。

さらに、彼らはクリエイティブに対する自分たちの裁量権と、マスターレコーディングの完全な所有権を持ち続けることができる。Stemはこうした前払い金(アドバンス)は税金の観点からより優れていると述べている。これは実際にお金が稼がれたときにのみ課税される、マーチャントクレジットアドバンスとして分類されるためだ。

ミラナ・ラブキン・ルイス氏

ミュージシャンが必要とするのはお金だけではないかもしれないが、United Talkent Agencyという事務所のエージェントだったルイス氏は「かつてレコードレーベルが一手に握っていたマーケティングやその他のサービスは、いまは独立した専門家を通じて利用できるようになった」と言う。また、StemはすでにStem Directメンバーシッププログラムを通じて、アーティストと専門家たちをつなぐ手助けをしている。

Scaleは米国時間2月27日に正式にローンチしたが、すでに一部のアーティストたちとこのプログラムをテストしている。ルイス氏によれば、前払金額は2500ドル(約27万円)から25万ドル(約2700万円)の範囲だが、そのほとんどが5万ドル(約540万円)から10万ドル(約1100万円)の範囲におさまり、返済期間は4〜18ヶ月だという。

プログラムにすでに参加しているアーティストとしては、例えばBrent Faiyaz(ブレント・ファイヤズ)、Justine Skye(ジャスティン・スカイ)、そしてLil Donald(リル・ドナルド)などが挙げられる。ルイス氏は、「クリエイティブなクラス」への金融サービスという点からみると、そこには「巨大な空白」があると付け加えた。

「将来、アーティストたちが彼らの音楽を、担保としてどのように使うことができるのかと考えると興奮します」と彼女は語る。「レコーディングスタジオのための資金や子供の教育資金を捻出するためには、自分の音楽からお金を引き出すことができるようになっていなければなりません。私は、クリエイティブなプロフェッショナルであることの意味を理解し、そうした人びとに、他の業界の労働者ならアクセスできるような、クラス最高のサービスを提供できるプラットフォームになりたいと思っています」。

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画像クレジット: rolfo eclaire / Getty Images

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(翻訳:sako)

Source: TechCrunch Japan
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