新型コロナウイルスがパンデミックになったら何が起きるか?

もし、新型コロナウイルス(COVID-19)がパンデミック(爆発的感染)になったら何が起きるのか? ウイルスが世界中に蔓延したら、どんな悪影響が心配されるのか? 私たちの生活、仕事、社会、そして移動にどんな変化が起こるのか?

ここでパニック映画を想像するのは待って欲しい。パンデミックは国境を封鎖し、壁を築き、すべての航空便を欠航にして、国全体を無期限に隔離することになると考える人がいるようだが、まったくの誤りだ。封じ込め作戦は大流行を遅らせて、対策のための時間稼ぎにはなるが、ひとたびパンデミックになれば、当然のことながら、封じ込めは失敗だったことになり、逆効果とは言わないまでも、それ以上の試みは意味をなさなくなる。

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Marc Lipsitch(マーク・リップシッチ)「必読。Peter Sandman(ピーター・サンドマン)とJody Lanard(ジョディ・ラナード)はすばらしい思考を持つ作家だ。これが自分で書けたらよかったのだが。ともかく、合理的な対応が説明されている。政府が実行すべき対策ばかりではない。

「隔離、渡航制限、感染経路の特定、その他の『私たち』に感染しないように『彼ら』を遠ざけるための対策を止めて、私たちがお互いにうつし合わないよう大規模イベントを中止するといった方向転換を図るには何を変えるべきか。パンデミックだと騒ぐだけでは、一般の人々に理解してもらえない」

Kal Kupferschmidt(カル・クファーシュミット)「過去の流行の際に、リスクコミュニケーションの専門家ピーター・サンドマンとジョディ・ラナードに話を聞いた。@MachayIM(この人もフォローすべき)のブログに掲載された論文は一読の価値あり」

焦点は、封じ込めから緩和に移行する。ウイルスが定着してしまった社会で、いかにして感染速度を緩めるかだ。緩和はよく手を洗うといった個人的な対策と、大規模イベントの中止、施設の一時閉鎖、できる限りテレワークや遠隔教育利用するといった複合的な「社会的距離戦略」によって成り立つ。

パンデミックの速度は落ちれば、それだけ医療システムの需要も均一化される。医療機関の許容限度を超えるリスクが抑えられ、ウイルス対策の研究に時間を割けるようになり、ワクチンが開発された暁には、大勢の人たちが救われるようになる。このわかりやすいグラフを含むスレッドを読んで欲しい。

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Josh Michaud(ジョシュ・ミショー)「疾病対策センターの指導では、緩和対策を柔軟に導入し、新情報が入るごとに効果を継続的に再評価することを求めている。現状への対応として『標的を定めた、多層的な』アプローチが最適である」

ジョシュ・ミショー「この対策の最大の目標は流行の強度を落とすことにある。流行の曲線を平坦化することで、医療機関と社会経済的な健全性への負担が減る(下のグラフを参照)」

(グラフの縦軸は1日の患者数、横軸は最初の患者発生からの日数、紫の山は対策を行わない場合のパンデミックの状態、斜線の山は対策を行ったパンデミックの状態)

我々メディアは重要な問題として、きわめて流動的で不確実なこの時期に、どのようにCOVID-19の報道をすべきかを問われている。そこで、ハーバード大学のBill Hanage(ビル・ヘイネージ)氏とMarc Lipsitch(マーク・リプシッチ)氏が寄稿したScientific American誌のすばらしい記事『How to Report on the COVID-19 Outbreak Responsibly』(COVID-19の流行についていかに責任ある報道をするか)を紹介したい(実を言うとビルは私の個人的友人だ)。

我々が考えるに、報道は少なくとも次の3つのレベルの情報に区分される。(A)私たちの知識は正しいか、(B)私たちの考えは正しいか、つまり、何が一番起こりやすいかに関する個人的な見解を反映する、これもまた推理、外挿、または学識に基づく解釈に依存した真実に基づく評価、そして(C)意見と推測【略】数日間続いた流行に関する事実は、発見されたばかりの、間違いを含む、または正しく事実を反映していないために誤解を招く恐れのある最新の「事実」よりもずっと信頼性が高い。【略】ずっと起きていることは何か、一定の周期で起きていることは何かを区別することが重要になる。

すべて読んで欲しい。意見記事の筆者として、私は実に安全な立場にある。私が書いているものはすべて、上の分類では(C)に属する。しかし、私が引用している内容はすべて(B)からのものだ。

それには、こんな但し書きがつく。この記事の最初の段落で私は「もし……になったら」と書いているが、その本当の意味は「……になったときには」だ。パンデミックは近づいている。無責任に恐怖を煽っているような言い方だとはわかっている。私は、みなさんに懐疑的になって、いろいろなもの広くを読んで、自分の結論を導き出すよう強くお勧めする。だが、専門家の主張する声はますます大きくなり、無視できない状況にある。ここに、ハーバード大学の伝染病学者Johns Hopkins(ジョン・ホプキンス)氏とバーゼル大学とベルン大学が、パンデミックについて明言したことに関連するTwitterのスレッドを紹介する。

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Chris Wymant(クリス・ワイマント)「(助)教授たちの伝染病の蔓延に関する意見をまとめると、コロナウイルスを封じ込められる時期はすでに過ぎている。つまり、パンデミックと緩和の方向に進んでいる(ただし現在の封じ込め対策が無意味だとは言っていない)」

マーク・リップシッチ「世界は、COVID-19の蔓延が封じ込め可能な大発生の段階からパンデミックの段階に移ったと見ている。明らかに次は、どの対策が有効かが問題になる。その対策の分類が役に立つだろう」

怖がることはない。パンデミックを緩和するために我々に実行可能な手段はたくさんある。恐怖心はウイルスそのものよりも危険であることは、容易に想像できる。そうなってはいけない。致死率は大きく騒がれている2パーセントよりもずっと低いであろうことを明記すべきだ。しかもそこには、症状の軽い、診断が下っていない患者は含まれていない。

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Helen Branswell(ヘレン・ブランズウェル)「これは決定的な情報であり、COVID-19に対する我々の認識を大きく変える可能性がある。簡単な病気ではないが、現在考えられているほど危険ではない可能性がある」

ヘレン・ブランズウェル「氷山を思い浮かべて欲しい。COVID-19では、死亡または重篤化した患者を見分けやすい。しかし、症状が軽い人は病院にも行かず、検査も受けない。研究者は、そうした人たちを探し出すべきだ。現状をもっと明確に知る必要がある。それに関するデータをお持ちの方はシェアして欲しい。もしなければ、作らなければいけない。

(図:水の上が目に見えるケース、水中が無症状または軽症の目に見えないケース)

60歳未満の人たちは、その率がさらに下がる。50歳未満となると急激に低下する。緩和に関するツイートをもう少し紹介しよう。

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Kail Kupferschmidt(ケイル・クファーシュミット)「昨日感じたことを言いたい。COVID-19対策は封じ込めから緩和に移行するに従い、準備のためのチャンスの窓が世界に開かれた。これはどういう意味か?」

まずあり得ないことだが、これまで引用した人たちが間違っていない限り、私たちはみな、ノートパソコンや携帯電話やTwitterやマスメディアを通して集団で見守るという珍しい体験をしながら次の1週間、または1カ月を過ごすことになるだろう。世界にパンデミックが広がる様子は、スローモーションに見えるはずだ。私たちの日常生活は、いずれは何かしら変化することになるだろう(今のオフィスがテレワーク対応になっていないとしても、来年の今ごろはなっているに違いない)。しかし、世界の終焉からはほど遠い。通常に戻るのが意外に早かったねと、驚くことになるのではないかと私は思っている。

画像クレジットJoão P. M. Lima  / Wikimedia Common under a Public domain license.
[原文へ] (翻訳:金井哲夫)

Source: TechCrunch Japan
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